気象庁のデータによりますと、日本全国で1時間に50㎜以上の短時間の強い雨を記録した回数は、1976年から1985年の9年間で年平均226回であったものが、2009年から2018年の9年間では年平均331回と、約1・4倍に増えています。これは地球温暖化等による気候変動が影響していると考えられています。
国も近年、全国各地で大雨による河川の氾濫や土砂災害が頻発することを受け、2015年に水防法を改正し、都道府県に洪水浸水想定区域を指定する際の雨量想定を「数十年に1度」から「千年に1度」の規模に拡大するよう義務づけました。
千葉県もこれを受け、県が管理する26の水位周知河川(洪水により相当な損害が生ずるおそれがあるものとして、水防法第13条の規定に基づき、県が指定した河川)の「洪水浸水想定区域図」を「千年に1度」という最大規模の大雨を想定したものに見直し、それを順次広く公表し、本年5月に26河川すべての公表を終えました。ちなみに船橋市内を流れる海老川、海老川水系の飯山満川、長津川は海老川水系の河川として、県が管理する26の水位周知河川に含まれます。
そして船橋市は、県の新たな「洪水浸水想定区域図」をもとに、住民の避難場所の設置や避難経路をつくるのに必要不可欠な「洪水ハザードマップ」を昨年12月に公表しました。これは市のホームページでもご覧になれますし、また市役所本庁舎9階危機管理課、船橋駅前総合窓口センター、各出張所にて、「防災マップ」(市が開設する避難施設と、それぞれの施設が担う役割や機能について「施設名称」と「絵図」で標示)・「津波・地震ハザードマップ」と同様に無料で配布しています。日ごろからの防災への取り組みが被害の軽減につながります。皆様も、いつ起こるか分からない災害に備え、ご家族と避難について話し合われる際の資料として「防災マップ」とともに、「洪水ハザードマップ」「津波・地震ハザードマップ」をご活用下さい。
さて、飯山満川の抜本的な治水対策の一環としては、県は年内を目標に飯山満川の堆積している土砂の撤去をします。本来ならば、梅雨前に工事に着手できればよかったのですが、土砂の堆積状況の把握に必要な測量、土砂の搬出に必要な土壌の分析等が様々な要因によって長引いてしまい、当初の計画より残念ながら遅れることとなりました。9月、10月は雨の多い時期ですので、私はできるだけ早く工事に着手するよう、県に働きかけているところです。
私はこれまで、飯山満川と同様に、船橋市内を流れる河川の治水対策を、本会議や委員会等で幾度となく取り上げてきました。それにより新規事業が立ち上げられたり、その事業に係る予算が組まれることになったりと、治水対策を着実に進めてきました。
これからも河川の氾濫から市民を守るため頑張ります。
令和2年8月2日 野田たけひこ