河川の治水対策について

 船橋市内を流れる海老川や飯山満川等においては、台風などの大雨によりたびたび浸水被害が発生しており、抜本的な治水対策を早急に実施することが求められています。昨年の台風19号襲来の際にも、この川の流域にお住まいの方々に「避難勧告」が発令されました。
船橋市は飯山満川の流域において、河川内の流水が住宅地等に逆流することを防止するためのフラップゲートの設置や、河川への雨水流出を抑制するため、小・中学校のグラウンドなどに雨水を一時貯留する整備を進め、また住宅地に雨水浸透桝の設置を促すため、地元町会への周知にも取り組んでいます。
 しかしながら、千葉県が管理している飯山満川の下流にある区間の整備が遅々として進まず、抜本的な治水対策に結びつかない現状があります。そのことから私は、県事業である飯山満川および海老川調節池を早急に整備するよう、平成30年2月県議会等で取り上げ、現在も県に強く要望しています。
 国は近年、全国各地で浸水被害が相次いだことから、平成27年に水防法を改正し、都道府県に対して、区域指定の際の雨量想定を「数十年に1度」から「千年に1度」の規模に拡大するよう義務づけ、令和2年度末までの見直しを求めています。
しかし千葉県は、その見直し作業の最中に台風21号に伴う記録的な大雨で、長柄(ながら)町を流れる一宮川が氾濫し、車に乗っていた2名の尊い命が失われました。その箇所は、平成21年に県が公表した一宮川水系の「浸水想定区域」から外れた地区内にあり、長柄町が公表した「洪水ハザードマップ」でも、住民に注意喚起がされていない地区でした。県が指定する浸水想定区域は、市町村が住民の避難場所の設置や、避難経路をつくるのに必要不可欠なものです。私は浸水想定区域の見直しについても、早急に進めるよう、県に強く働きかける所存です。
 また千葉県では、河川の監視を担当者の目視によるものとしていますが、神奈川県等では、水防情報管理システムの雨量水位情報に加え、河川のリアルタイムの画像情報を市町村や県民に提供するため、河川監視カメラシステムを導入し、県内103箇所の画像情報をホームページで提供しています。神奈川県によれば、画像は2分ごとに更新し、過去3時間までの画像を見ることができるそうです。
 今年の春から第5世代移動通信システム「5G」が実用化されますが、現在の4Gに比べて通信速度やデータ収集量がはるかに多く、高精細な映像センサーによりデータを収集することで、災害情報を網羅的に把握するとともに、被災者に最適な避難経路情報を迅速に届けることができ、「災害に強い社会」の実現が期待できるとされています。千葉県でも河川の監視体制を強化するため、最新技術を取り入れた河川監視カメラシステムを導入するよう、昨年の12月県議会で県に強く働きかけています。
 そして私は、今年も河川の治水対策に係る諸施策を県に強く働きかけ、「災害から県民の命と財産を守る!」ために頑張る所存です。

令和2年1月26日       野田たけひこ