河川の監視体制強化について

今月3日以降、日本の広範囲において「記録的短時間大雨」(令和2年7月豪雨)が降り、各地で河川の氾濫、土砂災害等が発生し、全国で70名以上の尊い命が失われました。亡くなられた皆様に心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
昨年は千葉県でも房総半島台風(台風15号)、東日本台風(台風19号)、10月25日の大雨により、やはり河川の氾濫、土砂災害等が発生し、14名もの尊い命が失われています。その東日本台風の際には、船橋市内を流れる海老川、飯山満川の流域にお住まいの方々に「避難勧告」が発令されました。これまでにも海老川、飯山満川等は台風や大雨等の際に、たびたび河川の氾濫による浸水被害が発生しており、私は船橋市内を流れる河川の抜本的治水対策を、これまで幾度となく県議会で取り上げ、訴えてきました。
 昨年の12月定例県議会と今年の2月定例県議会には、県の河川の監視は担当者の目視が原則とされていることから、河川の監視体制の強化のために、海老川、飯山満川、長津川等、船橋市内を流れる河川を含めた、県が管理している河川(二級河川)のうち、台風や大雨によって氾濫の危険性がある河川に、最新技術を取り入れた河川監視カメラシステムを導入するよう提言しました。(「令和2年7月豪雨」の際に、皆さまもテレビ等の映像でご覧になったと思います。)
 県は、昨年の災害時の苦い経験を踏まえ、台風や大雨等の非常時において確実な監視体制とするため、水位周知河川(洪水により相当な損害が生ずるおそれがあるものとして、水防法第13条の規定に基づき、県が指定した河川)等を対象に、既存の水位計108基を補完する目的で、「危機管理型水位計」を県内27河川の34ヶ所に設置し、6月1日から運用することとなりました。
この危機管理型水位計は、洪水時の推移観測に特化したもので、水位上昇時に観測データが送られてインターネット上の「千葉県防災ポータルサイト」や「川の水位情報サイト」に即時表示され、パソコンやスマートフォンからリアルタイムで確認できます。台風や大雨等の際には、市町村から出される避難情報と合わせて活用できますので、河川の氾濫の危険が迫った際には、より迅速な避難に役立てられます。
船橋市においては、船橋市立市場小学校の裏門近くに架かる海老川「人道橋」に、危機管理型水位計が設置されています。私は、この危機管理型水位計を飯山満川にも設置するよう県に働きかけています。
また、海老川、飯山満川、長津川等の治水対策の一環として、川底の泥を取り除くよう働きかけ、県はその工事を本年度中に行うことになっています。
7月上旬の1時間降水量50㎜以上の非常に激しい雨の発生回数は、これまで最多であった「令和元年東日本台風」の記録を超え、今回が最も多い回数(82回)となりました。土砂災害についても、しっかりと取り組む所存です。

令和2年7月19日        野田たけひこ