我が国は、2015年12月の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)において採択されたパリ協定に基づき、温室効果ガスの排出削減目標を5年毎に提出・報告することとなっています。
2016年5月、我が国は、2030年度までに温室効果ガスの排出量を対2013年度比で26%削減する目標を国連に提出しました。
その後、2021年4月には、米国が主催した気候サミットで、2030年度に温室効果ガスを2013年度比で46%削減することを目指し、さらに50%削減に向けて挑戦を続けることを表明しました。
次に千葉県の温室効果ガスの排出削減目標についてですが、2016年の国の目標26%削減を受けて、県は2016年9月に、「千葉県地球温暖化対策実行計画」を策定し、2030年度に県内の温室効果ガス排出量を2013年度比で22%削減する目標を設定しました(国の排出削減目標26%より4%少ない目標設定です)。
さらに、2021年の国の46%削減、そして50%という高みを目指すとした目標設定の変更を受け、県は2023年3月に「千葉県地球温暖化対策実行計画」を改定し、その中で「2030年度における千葉県の温室効果ガス排出量を2013年度比40%削減することを掲げました(国の排出削減目標46%より6%少ない目標設定です)。なお、県は更に高い目標を目指していますが、その数値は明確にしていません。
また、温室効果ガスの成分の90・6%は二酸化炭素ですが、環境省が発表した「2021年度 都道府県別データ一覧」によりますと、二酸化炭素排出量が最も多い都道府県は千葉県で、64,559千トンとなっています。
このデータを基に、二酸化炭素排出量の多い都道府県の温室効果ガスの排出削減目標を確認してみると、千葉県に次いで、全国で二番めに二酸化炭素排出量が多いのは愛知県で、2021年10月に「あいち地球温暖化防止戦略 2030」を改定し、国と同じ46%削減に変更しています。三番めに多い東京都は、2022年9月に改定された「東京都環境基本計画」の中で対2013年度比50%削減を目標としています。四番めに多い北海道も「ゼロカーボン北海道推進計画 」で、国の46%よりも2%多い48%削減を目標としています。五番めに多い神奈川県も、「神奈川県地球温暖化対策計画」において、50%削減を目指すとしています。
二酸化炭素排出量が一番多い千葉県の削減努力が、我が国全体に大きな影響を持つことからも、私は県に対し、排出削減目標の数値設定の見直しを求める所存です。