熊本地震発生直後の昨年5月に皆様にお配りした「県政改革71 災害時の行政手続きについて」で、災害時に税の減免、義援金の受給、仮設住宅への申し込み等に必要となる罹災(りさい)証明書について、「熊本地震の被災地では罹災証明書の申請件数が10万2千215件もあるのに対し、実際に発行できたのは3万226件で、申請件数の3割程度にしか発行できていないという報道がありました。特に益城町や南阿蘇村、西原村などの熊本県内の9市町村では約2万8千件の申請を受けましたが、各市町村の職員が余震への対応や避難所の運営などに追われ、証明書発行に係る現地調査ができなかったため、罹災証明書の発行数はゼロでした。被災者の生活再建を急がなければならないことから、国は5月中の発行を求めていましたが、他県から派遣された応援職員を市町村に割り振って対応しても、人手不足のため残念ながらその要請に応えられませんでした」と当時の罹災証明書の発行の遅れと迅速な発行のため行政書士会等との協力体制を構築していく所存である旨を書きました。
そして私は災害時における行政書士会の被災者への書類無償代行を念頭に、昨年5月に行政書士会・船橋支部との勉強会を開催しました。また同年6月に千葉県行政書士会と協議して「民進党千葉県連 行政書士制度推進議員連盟」を設立し、その議員連盟の副会長に就任しました。さらに同年7月の県議会・本会議の一般質問でもこの問題を取り上げ、行政書士会等との災害時支援協力に関する協定を締結するよう県に要望しました。
私の思いがこのたび実現し、先月の22日に千葉県と県行政書士会との間で、県民が災害に会った際に必要な書類の作成・申請について、無償代行してもらう「災害時における千葉県行政書士会の被災者支援に関する協定」が締結されました。これによって、地震や水害時、県は被害市町村への行政書士の派遣要請が可能となり、到着した行政書士は市町村庁舎に相談窓口を設置し、被災者の要望に応じて書類無償代行することになります。これは書類不備の減少、迅速な行政手続きにつながるものとなるでしょう。このような協定は県内では船橋市など8市が行政書士会と個別に締結済みですが、県が行政書士会と協定を結んだことにより県内全域の住民に、災害時の行政書士による書類無償代行が広がりました。
毎年県が実施している県民の意識調査で、県民の県への要望の第1位は「災害に強い県土づくり」です。私は災害に備える体制を強化するのと併せて、災害からの復興を迅速にする体制をつくるため、これからも積極的に提言します。
平成29年9月3日 野田たけひこ