今年の10月1日より、犯罪被害者やそのご遺族への支援体制となる「ワンストップ支援センター」がスタートしたことについては前号の「県政改革」でご報告致しました。一歩前進はいいことですが、今後取り組まねばならない課題もあります。その一つとして、ワンストップ支援センターとなる「NPО法人 千葉性暴力被害支援センター ちさと」(平成16年2月設立)と「公益社団法人 千葉犯罪被害者支援センター(CVS)」(平成26年4月設立)、この2つのセンターの存在が県民に広く知られていないことが挙げられます。
たとえば千葉県の昨年中における強姦罪・強制わいせつ罪の認知件数(警察に届け出があったもの)の合計は458件でしたが、これを警察白書にある性的事件申告率18.5%で推計すると、実際には認知件数の5倍以上の年間約2,500件発生していると想定されます。そして東京や大阪にあるワンストップ支援センターでは、同様の計算方式で算出した被害想定件数の約9割に当たる件数の相談があることから、これを千葉県に当てはめると、今後体制が整えば年間ベースで約2,000件の相談があるものと見込まれます。
しかしながら、直近の「ちさと」や「CVS」に寄せられた相談件数は、合わせても年間300件程度であり、その他多くの犯罪被害者やそのご遺族は、このセンターが連携する産婦人科医、精神科医等の医療的支援、あるいは弁護士等の法的支援などの様々な支援や相談を受けることなく、苦しんでいるのではないかと想像されます。
このようなことから広報に努めること、その他にも支援員の養成、県内市町村との連携、将来的にはワンストップ支援センターの増設なども課題ですので、これらについて私が素案をまとめ、それを12月5日の民進党の代表質問で取り上げることになっています。
また犯罪被害者のご遺族への支援について、県内の成田市、印西市、多古町、神崎町などでは、突然の事件や事故で最愛のご家族を亡くされた方々に弔意を表すため、「犯罪被害者支援条例」を制定し、遺族見舞金を支給するなど、一日でも早く平穏な生活を取り戻すことができるよう支援していることなどから、船橋市にも「犯罪被害者支援条例」の制定をするよう、仲間の市議会議員に市議会の一般質問で取り上げてもらうようにお願いをしています。私はさらに、県内全域に支援の輪を広げて行く所存です。
平成29年12月3日 野田たけひこ
NPO法人
千葉性暴力被害支援
センター ちさと
☎ 043-251-8500
【相談受付時間】
日祝日、年末年始を除く
月~金 9:00~21:00
土 9:00~17:00
※緊急の医療支援は、上記時間に限らず24時間365日対応可能です。
公益社団法人
千葉犯罪被害者
支援センター
☎ 043-222-9977
【相談受付時間】
土日祝日、年末年始を除く
月~金 10:00~16:00
※千葉県公安委員会指定「犯罪被害者等早期援助団体」です。