教育基本法第3条には「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」とあります。
千葉県はもちろん多くの道府県における高校入試は、男女の別なく入学試験の点数が高い順に合格者が決まります。しかしながら東京都では男女別定員制をとっており、都立高校の普通科は男子と女子の定員を別に設けています。都立高校の全日制普通科104校のうち85校では、女子の合格基準が男子の合格基準よりも高く、中には女子の合格基準が男子よりも40点以上も高くなっている高校もあります。そのため、都内の学習塾では「都立高校は男子と女子で合格基準が違うことは注意してほしい。女子のほうが頑張って成績を上げないと同じ学校に入れない」と女子受験生や保護者に説明しなければならないとのことです。大学の医学部の入試においても2年前、東京医科大学が女子の答案から一律に減点をしていたことが大学の内部調査で判明し、その後の厚労省の調査でも全国の81大学のうち、少なくとも10大学で女子等が不利となる不適切な得点調整がなされていたことが明らかになりました。
男女共同参画社会基本法第2条「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」の実現は急務であると考えます。
この男女共同参画社会基本法第9条には「地方公共団体は、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関し、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」と「地方公共団体の責務」が明記されています。千葉県でも地方公共団体の責務を果たすべく、2001年より「千葉県男女共同参画計画」(第1次)が策定されており、それは幾度かの改定を経て、昨年度末に「男女がともに認め合い、支え合い、元気な千葉県の実現を目指します」という目標を掲げ、第5次計画が発表されました。
その基本的な課題の中に、「男女共同参画への意識づくり」という項目があります。ある民間の調査によると、「社会通念やしきたりにおいて男女平等になっているか」という質問に対し「なっていないと思う」が女性は92%、男性は97%と女性より高い割合でした。ほとんどの人が男女平等ではないことを理解していることになります。
すべての県民が、自分事として捉え、関係者であるという自覚を持てるようにするためには、男女共同参画に関する調査研究や情報収集を行い、あらゆる分野における男女別データである「ジェンダー統計」を整備し、男女の格差解消の達成度をデータで示すことであると考えます。現状や課題等が「見える化」されると、男女の格差解消へ向けた県の取り組みが、分かりやすく、説得力を持ったものになると思います。
今後も「男女共同参画への意識づくり」を進め、男女格差を解消するため、「県政改革」を行ってまいります。
令和3年4月18日 野田たけひこ