小学生の頃、女子だけ教室に集められて先生から何かのお話を聞いていました。男子たちは「何だろう?」と気になっていましたが、触れてはいけないような雰囲気がありました。多くの男性がそうであるように、私はこれまで、女性の「生理」について、見聞きすることも、話題として触れることも避けてきたと思います。そして、このことを取り上げるのに、ためらいを持っていたことを大いに反省しています。
報道によれば、「生理に関するアンケート」に回答した女性の約7割が「男性は生理のことを理解していない」、8割以上が「男性に生理をもっと理解してほしい」、そして7割以上が「生理は仕事や家事に影響がある」としています。
これまで染み付いたイメージや意識をすぐに変えることは難しいと思いますが、女性の社会進出が進んでいる現代では、男性の理解がより一層重要になってきています。社会における「男女の格差是正」や、男女が互いに理解し、支え合う「共生社会」の実現のためにも、女性の「生理時の心と身体」について理解しなければなりません。
また、女性は、初経と閉経まで40年前後は生理と共に過ごすそうです。その間の生理用品にかかる費用はかなりの金額になります。
そしてコロナ禍の今、アルバイトができず、経済的に困窮する学生が増える中、生理用品が買えなくなる、買うのに苦労した等の経験がある学生は、学生全体の約2割にも上り、また生理が原因で学校を休む等、生活に支障が出ている学生も7割近くに上ることがNHKのアンケート調査で分りました。
生活に困窮する人にとっては生理用品の負担は大きく、また専用の下着や生理痛を抑える鎮痛剤も含めると費用はさらにかさみます。そして学校や職場を休まざるを得ない状況は、女性が自らの可能性を広げるための様々な機会を喪失させることにつながります。
ある調査によると36%が生理用品の購入をためらったことがある、または購入できなかったと回答しています。生理用品への負担について、NHKの報道では「タオルを丸めて作って、使い回していた」「トイレットペーパー等で毎日自作」等、衛生面で不安があり、感染症を引き起こす恐れのある回答もありました。
そのようなことから、私の所属する会派、立憲民主・千葉民主の会は5月13日に、「学校の保健室に常備されている生理用品を返却不要にすること、また必要な児童生徒が、いつでも使用できるよう、トイレへの生理用品の設置を検討すること」「困っている方が継続的に生理用品を手にできる環境を整えるため、NPO等、民間との連携の仕組みを構築の上、窓口配布やトイレの中への設置を実施すること」等からなる「コロナ禍における『生理の貧困』に対する緊急要望」を熊谷俊人・千葉県知事に手渡しました。
これからは生理があるがために女性たちが直面する問題にも向き合い、「男女の格差是正」「共生社会」の実現に積極的に取り組みます。
令和3年5月23日 野田たけひこ