ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)は、世界が直面する重大な問題について世界の政財界のリーダーが一堂に会し、議論する場であり、その使命は「世界の現状の改善に向けて取り組む」こととされています。また、この世界経済フォーラムは経済・教育・医療・政治の4分野で「推定勤労所得の男女比」「管理的職業従事者の男女比」「国会議員の男女比」等の項目における男女格差が、世界156ヵ国の中で何位かという、ジェンダーギャップ指数(男女格差報指数)を毎年発表しています。
3月31日に発表された最新のジェンダーギャップ指数によりますと、我が国の順位は世界156ヵ国の中で120位、主要先進7ヵ国の中では最下位。アジア諸国の中でも韓国(102位)、中国(107位)よりも下という結果でした。加藤官房長官は当日の記者会見で「特に経済・政治分野でスコアが低調だ。各国がジェンダー平等に向けた努力を加速している中で、相対的に我が国の取り組みが遅れている」「一層の取り組みの加速が必要だ。令和の時代にふさわしい男女共同参画社会の実現に向け、さらに力を注いでいきたい」と述べました。
昨年の男女別の雇用における非正規率は、男性が22.3%で、女性が56.4%と女性が男性の倍以上に不安定な雇用環境下に置かれています。
そして昨年11月の総務省の労働力調査では、我が国の女性の失業者は72万人、失業率は2%弱だとされましたが、この数字には非正規雇用で仕事が半分以下に減り休業手当も支払われない等という、収入の激減で失業に近い状況に置かれた「実質的失業者」90万人は含まれておらず、この実質的失業者を含めた広義の女性の失業者は162万人となり、失業率も5%強へと跳ね上がります。また、この数字には女性の派遣社員や契約社員等における、同様の事例は含められておらず、それを含めたならば、失業者数も失業率もさらに高くなります。
コロナ禍でさらに格差は拡大し、女性労働者の比率が高い飲食業やサービス業等の業種に深刻な影響を及び、特に非正規雇用で働く女性を中心に、女性の雇用状況を悪化させました。これは自殺者の数が昨年10月は一昨年の同月に比べ男性が21.7%増、女性が82.8%増となった要因の一つと考えられています。
男女格差に積極的に取り組んでいる自治体がある一方で、47都道府県の中で唯一、男女共同参画条例がない千葉県は特に力を注がなくてはなりません。多くの分野で、女性の登用を進めることによって、男性だけでは足りない視点や、新たな視点が生まれて、より良いまちづくりにつながって行くと思います。
私はあらためて熊谷新知事や、他会派の議員にも男女共同参画条例の制定を呼びかけ、ジェンダーギャップ解消のため尽力致します。
令和三年四月四日 野田たけひこ