我が会派の代表質問原稿のうち、防災に係ることについては、私が執筆しています。そして、9月30日の代表質問原稿には「私たちには、県民要望の第1位でもある『災害に強い県土づくり』を実現するという責務があります。我が会派は、この度の辛い経験を教訓とし、台風15号に係る検証委員会(会議)の立ち上げを提案致します」という一文を入れ、県の災害対応に係る検証会議の立ち上げを提言しました。
県は、我が会派の提言を採り入れ、11月22日に第1回となる災害を専門とする有識者による検証会議を開きました。主な検証項目は、
(1)災害対応体制、本部設置に係る対応
(2)知事(本部長)の動き
(3)情報収集
(4)人的支援(業務支援)
(5)物資支援
※その他各部所(医療・福祉・土木・ライフライン等)5項目
それぞれの検証項目について県は「危機感が薄かった」などの見解を示していますが、「知事(本部長)の動き」については、県内全域に暴風警報が発令の中の8日に都内の会議に出席。台風上陸の9日に登庁せず、公舎待機。10日には自宅がある芝山町周辺を「私的視察」した。など大きく報道され批判されているにもかかわらず、「知事が公舎で公務を行うのが不適切とはいえないが、大規模停電や記録的な暴風で被害状況が不明であることを踏まえれば、県庁で情報収集や指示を出す態勢を取ることが望ましかった」と評価・分析しています。
しかしながら、私は「知事が公舎で公務を行うのが不適切とはいえない」という県の評価・分析を納得することができません。なぜならば、千葉県地域防災計画で災害対策本部の設置場所は、原則として防災危機管理センターと規定していますし、また災害時の情報管理は一元化するというのが鉄則だからです。そして12月議会において、私はこの評価・分析に反論します。
さらに、「私的視察」についても、知事は11月13日の定例記者会見で「『次(に災害が来た時)もやる可能性がある』と話した。『浦安(で液状化被害があった東日本大震災)の時もやった。政治的にプラスだと思った』と『私的視察』の意義を重ねて語った」との報道がありました。災害時における知事の責務を理解していない、このような言動は厳に慎むよう、やはり12月議会において問い質(ただ)します。
知事を補佐し、助言する立場である副知事は2名、また危機管理部長等、多くの県職員が側近として知事の周囲を固めています。この人たちは、県民の感覚からズレた知事に、なぜ的確な助言をしなかったのでしょうか。県民が大変な思いをしていた時に、この人たちは何をしていたのでしょうか。
令和元年12月1日 野田たけひこ