福祉タクシー・UD(ユニバーサルデザイン)タクシーについて

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、千葉県でもレスリングなど7競技が開催されます。その時には、外国からも多くの人たちが千葉県を訪れます。そして今、県はその準備を進めていますが、福祉タクシー・UDタクシーについては、残念ながらもほとんど手付かずの状態です。
福祉タクシー・UDタクシーとは、足腰の弱い高齢者、車イス使用者などが安心して利用できる、車イス乗降口やスロープなどが整備されたタクシーで、運賃も一般のタクシーと同じです。もちろん健康な方もご利用できます。パラリンピック開催時には、多くの車イス使用者が本県を訪れることが予想されますが、その方々が円滑に移動するには、このUDタクシーが充実していなければなりません。
台数についてですが、国は「移動等円滑化の促進に関する基本方針」において、2020年度までに福祉タクシー(UDタクシーを含む)を約28,000台とする整備目標を設定していますが、現在、国内には約15,000台しかありません。
横浜市では、市内を走る一般タクシーの5%にあたる240台を導入の当面の目標として「タクシー事業者福祉車両導入促進事業」を立ち上げ、一般タクシー事業者がUDタクシー車両を購入する際の費用の一部を助成し、UDタクシー導入促進を図っています。東京都も昨年の5月から一般タクシー事業者等がUDタクシーを購入する際に、上限60万円まで補助する制度をつくりました。愛知県でも補助制度導入を検討しています。私はUDタクシー導入促進のため、補助制度導入を千葉県に働きかける所存です。
 駐車スペースについても、横浜市ではUDタクシー専用待機レーン設置に積極的です。それに比べ千葉県の取り組みはどうでしょうか。以前「県政改革 障害者等用駐車場について」で触れましたが、施設の出入り口付近などに設置される車イスの乗降に必要な広さを備えた駐車場「障害者等用駐車場」は利用者の約8割が健常者で、駐車場が適正利用されていません。身体障害者等用駐車場を本当に必要としている方が利用しやすい環境を整備するため、障害者、高齢者、難病患者、妊産婦などに対して、当該駐車場の利用証を発行する制度についても、引き続き千葉県に働きかける所存です。
障害者や高齢者の社会参加の需要が高まる中、交通手段の確保、障害者乗降場の増設、障害者等用駐車場の適正利用は極めて重要なことです。

※ユニバーサルデザイン・・・文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。

平成29年1月15日     野田たけひこ