高齢者や障害者等が不自由を感じることなく、自立した日常生活や社会生活を送れるように今、多くの施設が高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)の基準に基づき、バリアフリー化されていますが、残念ながらドア・トゥ・ドアのタクシーの利用については、いくつかの課題があります。
さて、私は2年前の2月に「ユニバーサルデザインタクシーの導入促進を求める意見書」(案)を県議会に提出しました。この意見書案は多くの会派の賛同が得られたものの、自民党、公明党の反対により採択されませんでした。しかしながら私は、その後も県の担当課等と粘り強く交渉し、その年の7月にタクシー事業者が福祉タクシー車両を購入する際に、県が経費の一部を助成する「福祉タクシー導入促進事業」を新規事業として立ち上げ、その予算も獲得するに至りました。皆さまも駅のタクシー乗り場や街中等で、タクシーの型が変わって来たとお感じになっているかと思います。左の写真が、この事業により県が助成金を出して、導入を進めている福祉タクシー(ユニバーサルデザインタクシー)です。
福祉タクシーの台数は増えましたが、昨年夏の福祉団体の調査によれば、高齢者や障害者等が車いすでの乗車を拒否されたり、あるいは、乗り降りに20分以上も時間がかかったりするなどの不適切な事例が報告されています。
車いす利用者の乗車を拒否することは道路運送法に違反しますが、できるだけ多くのお客さんをタクシーに乗せることが、手当に直結する運転手にとっては、乗車料金が同じで、しかもスロープを使って車いすをタクシーに乗せるという手間のあるお客を乗車させるのは、できれば避けたいと思うのも理解できます。この運転手の負担感を解消し、車いす利用者も運転手も、お互いに気持ちよく福祉タクシーを利用できるようにすることが一つの課題です。
また今年の3月から国は、福祉タクシーの運転手にスロープの使い方等の実技研修を義務付けました。この研修を県内で広範に実施することも課題の一つです。
今、千葉県民の4人に1人が高齢者となり、数年もすると2人に1人が高齢者となる市町村も出現します。高齢者や障害者が自立した日常生活や社会生活を送り、さらには人生を楽しむ、そのような千葉県をつくるためには、移動手段の確保は不可欠です。私は福祉タクシー利用の課題解決に向け頑張ります。
令和元年8月25日 野田たけひこ