国立社会保障・人口問題研究所は5年ごとに「出生動向基本調査」(結婚と出産に関する全国調査)を実施し、その中で独身者に係る様々な調査もしています。
35年前の昭和62年(1987年)に実施された第9回調査では、19歳から34歳までの、いわゆる結婚適齢期の独身男性で「婚約者や恋人いる」と答えた人は回答者(3,299人)のうちの22.3%で、「異性の友人がいない」と答えた人は48.6%でした。
同じく19歳から34歳までの独身女性で「婚約者や恋人がいる」と答えた人は回答者(2,605人)のうちの30.8%で、「異性の友人がいない」と答えた人は39.5%でした。
この「婚約者や恋人等の異性の友人がいる」「異性の友人がいない」の割合の動向についてですが、20年前の平成14年(2002年)の第12回調査では、独身男性で「婚約者や恋人がいる」25.1%、「異性の友人がいない」52.8%、独身女性で「婚約者や恋人がいる」37.0%、「異性の友人がいない」40.3%でした。
そして、公表されてる最新の調査である平成27年(2015年)の第15回調査では、独身男性で「婚約者や恋人がいる」21.3%、「異性の友人がいない」69.8%、独身女性で「婚約者や恋人がいる」30.2%、「異性の友人がいない」59.1%でした。
「出生動向基本調査」の独身者に係る調査は、昭和57年(1982年)の第8回から厚生労働省のホームページで見ることができますが、この調査から分かることとして、「婚約者や恋人がいる」独身男性は全体の約2割、独身女性は約3割は1982年以降の40年間、ほぼ一定であることです。
もちろん2~3割以外の7~8割の方々が、ずっと恋人を持たず、結婚もしないということではありません。この割合は、調査をした時点での相対的なものであり、3割の方々が、結婚すれば独身者でなくなりますし、また7割の方々の多くも、いずれ恋人ができ、3割の仲間入りをします。しかしながら7割の方々の中には、望みながらも、ずっと恋人を持たず、結婚もしないで生涯を終える方々も一定割合でいます。
令和2年に実施された国勢調査によりますと、50歳時未婚率は男性25.7%、女性16.4%で、男性の4人に1人、女性の6人に1人が生涯未婚であり、これは国勢調査が始まって以来の過去最高数値です。そして、この生涯未婚という流れは今後も続き、2040年には男性の30%、ほぼ3人に1人、女性の20%、5人に1人が生涯未婚となると推計されています。
恋の経験をすることなく、人生を終える人たちが増えている。恋の後押しまで行政がするのかとの意見もありますが、行政は人を幸せにすることを使命の一つとしている以上、千葉県も他県のように、男女の健全な出会いにも力を注ぐべきです。