脱炭素社会の実現に向けて

 太陽の光によって暖められた地表面から放出される熱(赤外線)は宇宙空間へと放射されます。しかし、この熱は一部が吸収する性質を持つガスによって吸収されます。このようなガスを「温室効果ガス」と呼びます。

 大気中の温室効果ガスが増えると、温室効果が強まり、熱は宇宙空間に放射されにくくなります。その結果、地球の気温が上昇し、地球温暖化が進行します。これは異常気象の原因となり、海面上昇や生態系の変化など、環境に大きな影響を及ぼします。

 我が国で排出される温室効果ガスの種類と割合は、一酸化窒素が1・7%、メタンが2・5%、そして圧倒的に多いのが二酸化炭素で、90・6%を占めています。

 この温室効果ガスの排出量と、森林などが吸収する二酸化炭素を含む温室効果ガスの量をバランスよく調整し、「排出量を全体としてゼロ」にすることを「カーボンニュートラル」と言います。そして、カーボンニュートラルが実現された社会を「脱炭素社会」と呼びます。

 2020年の我が国の温室効果ガスの総排出量は約11億500万トンでしたが、そのうち森林などによる吸収量の割合はわずか 4・5%に過ぎません。

 つまり、植林や森林管理に力を入れても、それだけでは排出量と吸収量のバランスを取ることは難しいため、温室効果ガスの大部分を占めている二酸化炭素の排出量を減らさなければなりません。

 そのようなことから、2020年6月に国は「地域脱炭素ロードマップ」を示し、2030年までに温室効果ガスの総排出量を2013年度比で50%削減するための計画と具体策を明らかにしました。

 千葉県はすでに、この実行計画を策定していますが、2020年時点において、県内54市町村のうち、計画を策定したのは16市町村だけで、策定率は29・1%でした。

 一方、関東近県の市区町村における実行計画の策定状況を見ると、東京都は65・1%、神奈川県は52・9%、埼玉県は45・3%の策定率でした。

 令和元年、2019年度の千葉県内の二酸化炭素の排出量は 6,434万2千トン(全国シェア 6・5%)で、全国で最も多い排出量でした。千葉県は脱炭素社会の実現に向けた取り組みを、一層加速させる必要があります。

 

  私もまた、脱炭素社会の実現のための提言を、さらに積極的に行っていく所存です。