私たちが生活して行く上で、視覚からの情報は全体の約80~90%を占めていると言われています。
視覚障がい者の方は、見えない・見えにくいことにより、日常生活を送る上で、「移動」はもちろんのこと、「読み書き」でも不自由を抱えています。例えば、「自宅に届いた郵便物の差出人がわからない・郵便物が読めない」、「イベントや催し物の内容がわからないので申し込めない」、「薬や家電製品等の説明書及び注意書きが読めない」、「子どもが通う学校からの便りやお知らせが読めない」、「病院の問診票が書けない」等の日常生活を送る上で読むこと・書くことは多くあります。社会参加や安心して日常生活を送るために代筆・代読支援を受けたいという視覚障がい者のニーズに対応できる意思疎通支援事業は不可欠です。
そういった支援を受けた方からは、様々な理由で読み書きをあきらめていたが、代筆・代読をしてもらうことで、社会参加できることや日常生活が楽しく送れるようになったという声が寄せられています。
千葉県では、視覚障がいのある人が銀行サービスを利用しやすくするためにはどのような配慮が必要かについて、障がい当事者と銀行が直接話し合う場を設け、検討を行ってきました。その結果、地元銀行(千葉銀行、京葉銀行、千葉興業銀行)が共同歩調をとって障がい者と話し合い、その要望を踏まえた措置をとることになりました。全国でもほとんど例のないもので極めて意義深いものです。
- 行員が代筆できる書類の範囲や、代筆を行う際の手続(身体障がい者手帳による本人確認や複数の行員の立会など)を整理し、視覚障がいのある人の利便性の向上を図る。
- 視覚障がいのある人は、窓口で振込をせざるを得ないが、窓口で振込を行う際の手数料をATM利用の場合と同額とする。
- 「ハンドセット」という受話器により、視覚障がいのある人が、預金の引き下ろしや入金等を行うことができる機種が普及してきているが、店舗で行員に申し出れば、「ハンドセット」の操作方法を丁寧に教える。
また、視覚障がいのある人の暮らしのなかの様々な問題を解消していくためには、障がいのある人への理解者を増やしていくことが大切です。
- 盲導犬同伴者の入店・乗車・宿泊拒否をなくす。
- セルフレジを視覚障がい者でも利用できるようにするため、支援者を配置や、音声案内を導入する。
- 駅構内のバリアフリー化やホーム柵の増設などの安全対策と、無人駅を含む乗降客の少ない駅における音声誘導。
- 視覚障がい者の就労の機会の確保や、働きやすい環境づくり。
これからも、「障がいのある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり」を進めてまいります。