談合業者との損害賠償に係る調停について その2

 11月25日に開会された県議会で、『議案第24号』が県の執行部から議会へ提出されました。これは、県が発注した工事で談合を繰り返した千葉県山武地域の建設会社19社に、相互に取り交わした契約約款に基づき最終契約金額の20%に当たる約11億円を県が賠償請求した直後に、事業者側は賠償金を納付することなく、県を相手に千葉簡裁に民事調停を申し立て、その結果、双方合意の調停が成立しました。その内容は、最終契約金額の20%の約11億円ではなく、8%に相当する3億8千8百98万円を、10年間の分割で支払うとするものです。そして、この調停を承認しろというのが『議案第24号』です。
 さて、この談合問題ですが、平成26年2月3日付で公正取引委員会が違反事業者30社に、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為があったとして排除措置命令を出しました。これを受けて、県は「指名停止等検討委員会」を開き、処分の決定をするというのが一連の流れです。しかし、この情報を素早くキャッチしていた山武、東金、大網白里市と横芝光、九十九里町の5市町長のほか、自民党県議会建設問題研究議員連盟のメンバー8人は、平成26年1月9日に千葉県知事宛に指名停止期間の短縮などの配慮を求める要望書を提出しました。そして平成26年2月4日に開かれた県の「指名停止等検討委員会」では「指名停止期間の特例規定を適用して期間を2分の1に短縮し、6カ月の指名停止にすることとしたい」との決定が下されています。
 また、県議会でも、違反事業者30社が所属する千葉県建設業協会から自民党県議会建設問題研究議員連盟所属の12人が紹介議員となって、県への賠償金の軽減を求める請願が提出されました。それは今年の3月17日の本会議で自民党などの賛成多数で採択されました。
 千葉県建設業協会は、違反事業者30社の中でも規模の大きな事業者2社の幹部がそれぞれ役員を務め、さらに、ほぼ同じメンバー構成で「自民党千葉県建設支部」という組織をつくっています。そして、この千葉県建設業協会の専務理事と自民党千葉県建設支部の会計責任者は同一人物で、元千葉県企業庁次長。つまり元県職員で、いわゆる「天下り」です。これは、まさに政・官・業の癒着ではないでしょうか。皆様は『議案第24号』を承認できますか。私は断固として反対です。

平成28年12月4日      野田たけひこ