千葉県が発注した工事で、談合を繰り返した千葉県山武地域の建設会社19社に、県が総額11億円の損害賠償金を請求していたことに対し、「倒産・廃業に至った場合、地域の経済や災害対策に影響を与える」などとし、賠償の軽減を求める請願が千葉県建設業協会から提出されましたが、その請願には自民党県議12人が紹介者として名を連ねました。そして、その請願は本会議でも、「当該事案だけを特例として請願を採択することは、県民の理解は得られない」と、当時の民主党が反対討論をしましたが、自民党などの賛成多数により採択されました。
この請願の発端となる事件とは、千葉県が発注する土木工事で独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為があったとして、公正取引委員会から、違反事業者35社のうち30社に排除措置命令、20社に課徴金納付命令が発令されるという大規模な談合事件です。そして、県はこの公正取引委命令を受けた業者19社に対し、契約約款に基づき最終契約金額の20%に当たる計約11億円を賠償請求しました。また、千葉県が賠償請求した直後に事業者側は賠償金を納付することなく、県を相手に千葉簡裁に民事調停を申し立て、これまでに10数回の調停の場が持たれました。
さて、その調停ですが、なんと県と事業者側とで合意がなされました。その調停内容は、
(1)申立人(事業者)らは、県に対し、本件請負工事の最終契約金額の8%に相当する金額を賠償金として、10年間の分割により支払う義務があることを認める。
(2)県は、申立人らに対し、前項の賠償金以外の請求を放棄する。
(3)各当事者の間には、本件に関し、調停条項に定めるもののほかに、何らの債権債務のないことを相互に確認する。
県の賠償請求額は当初、約11億円。それが、2社が廃業した為9億7千2百45万円になり、さらに調停によって3億8千8百98万円! しかも10年間の分割!
そして、この調停の成立や、その内容を認めることを議会に求める議案第24号が県の執行部から、この12月県議会に提出されています。法令順守を率先していかなければならない議会が、特例を認めていいのでしょうか? 私は、県民の皆様の理解を得られるよう、また、議会のチェック機能を果たす為に反対します。
平成28年11月27日 野田たけひこ