今月3日の千葉日報に『請願提出「賠償軽減を」―山武談合問題で県建設業協会―』という記事が載りました。その内容は「県発注工事で談合を繰り返したとして山武地域の多数の建設業者が公正取引委員会から課徴金納付命令を受けた問題で、県建設業協会が、県に損害賠償請求の軽減を求める請願を県議会に提出したことが2日、わかった。自民党県議12人が紹介者に名を連ねている。県は2014年8月、公正取引委命令を受けた業者19社に対し、契約約款に基づき最終契約額の20%に当たる計約11億円を賠償請求。うち17社から千葉簡裁に調停の申し出があり、協議が続いている。云々」というものです。
若干補足説明をしますが、この談合事件は、千葉県が発注する土木工事で独占禁止法第1条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為があったとして、公正取引委員会から、違反事業者35社のうち30社に排除措置命令、20社に課徴金納付命令が発令されるという大規模なものでした。また千葉県が賠償請求した直後に、事業者側は賠償金を納付することなく、県を相手に千葉簡裁に民事調停を申し立て、現在までに10回の調停の場が持たれています。
言うまでもなく、入札談合は入札者間の、公平かつ自由な競争を通じて、受注者や受注価格を決定しようとする入札制度を真っ向から否定するもので、断じて許されるものではありません。ましてや工事の発注者は千葉県であり、この事件は県の予算の適正な執行を阻害し、納税者である県民の利益を損ねる行為でもあります。さらに工事契約締結時に、違法行為があった場合には損害賠償請求される旨は、契約約款に明記されており、事業者は、それを認めた上で工事契約を締結しています。
そして、この請願は、今月10日の県土整備常任委員会でも自民党と1人会派で、常に自民党の顔色をうかがっている「いんば」の賛成多数により採択されました。17日の本会議でも民主党が反対討論を行いましたが、その甲斐もなく、自民党と自民党の金魚のフンみたいな1人会派「いんば」と「かとり」の賛成多数により採択されました。極めて残念なことです。
近年よく聞く言葉「コンプライアンス」(法令順守)、これは議会が率先してやらなければならないことではないでしょうか? 駐車違反をして罰金が高いからまけろ。このようなことが世の中で通用しますか? 建設業だけは特別なのですか?
平成28年3月27日 野田たけひこ