「令和の米騒動」も落ち着きを取り戻し、ようやく店頭にお米が並ぶようになってきました。
全国有数の米どころは、新潟県・北海道・秋田県・山形県・宮城県と北の地域が上位を占めていますが、千葉県は全国9位の米どころです。また、千葉県のオリジナル品種の「ふさこがね」、多古町で育てられた「多古米」、日本の棚田百選に認定された鴨川大山千枚田の「棚田米」などが有名です。そして現在、2019年に千葉県農林総合研究センターが13年の歳月をかけ育成した「つぶすけ」が、「ふさこがね」以来の新しいお米として販売されています。千葉県の稲作地帯は、県内の田畑面積の約5割を占めています。
しかし、農家の高齢化と後継者不足などにより、農業に従事する人がいなくなり、一度耕作をやめてしまうと、再び農地として作物を栽培することは難しくなるため、そのまま耕作放棄地化・荒廃農地化することが深刻な問題となっています。
耕作放棄地とは、「所有されている農地のうち、過去1年以上作付けされておらず、この数年の間に再び作付けする考えのないもの」で、荒廃農地は「現に耕作されておらず、耕作の放棄により荒廃し、通常の農作業では作物の栽培が客観的に不可能となっている農地」のことです。
全国の耕作放棄地は、1990年が21・7万haだったのに対し、2015年は42・3万haと、25年間でほぼ倍増しています。農地の減少は、日本の食料自給率を、さらに押し下げる要因になります。これ以上大切な食糧を輸入に依存することは、できるだけ避けなければなりません。
そして、農地が管理されなくなると、災害を防ぐさまざまな機能が失われ、災害時のリスクが増加します。また、病害虫や雑草、外来動植物により、作物の生育に影響を与え農業被害が生じることも考えられます。ゴミの不法投棄や犯罪や火災など防犯上の問題も発生します。
千葉県の山武・香取・印旛・海匝は、田畑面積も多い地域ですが、高齢化率も深刻な状況になっています。2015年の安房圏域の高齢化率は39・1%でしたが、2025年には42・3%になると推計されています。山武長生夷隅圏域は、32・1%→37・5%、香取海匝圏域は31・9%→36・8%と、千葉県の米どころといわれている地域の高齢化率は厳しい現状です。船橋市でも高齢化により廃業する梨園が増えています。
9月23日、立憲民主党の代表選挙が行われ、実兄である野田佳彦衆議院議員が代表になりました。代表選の際の演説の中で、農業従事者の減少に対し、「農家を増やす政策が必要だ」と「令和版の国立農業公社」の設立を提唱しました。農家を志望する人が5年間、中山間地で働きながら実習するというもので、新たな担い手の育成が目的です。
私も、微力ながら千葉県が新たなビジネスモデルになるよう、提言していく所存です。