「資源を掘りおこす」という見出しに、?と思われるかもしれません。ご承知の通り、日本では国を富ませるような天然資源はほとんど採れません。ノーベル賞受賞者を多数輩出できる教育と、日本人の勤勉で探究心旺盛な素養がこの国を富ませてきました。それなのに日本は教育にお金をかけなくなってきました。以前、奨学金制度の問題点を取り上げさせて頂きましたが、本来であれば高等教育を受ける気持ち、能力を持った子どもたちから教育の機会を奪っている現状があります。経済的な理由で進学を断念させることなく、教育の機会を与えることは、(人的)資源を掘りおこすことに他なりません。日本は今後とも人的資源を研くことにのみ活路を見出すしかありません。
さて10月27日に文部科学省の調査が明らかになりました。それによりますと、千葉県内の国公私立の小中高、特別支援の各学校で、昨年度に認知されたいじめの件数は2万6千30件で、全国トップでした。また子どもの人口千人あたりのいじめの件数は39.9件で、京都府、宮城県、宮崎県についで4番目でした。私はこれまで千葉県において、早急に「少人数学級」を実現するよう訴えて参りました。それは教育現場で疲弊している教職員の負担軽減はもちろんのこと、少人数学級になれば、学力の向上ばかりでなく、子どもの個性に合わせてきめ細やかな教育ができ、生活指導も充実させられ、子どもの悩みや不安に向き合うことができるからです。そしてそれは、いじめを防ぐことの一助となることでしょう。
また、子ども個々と向き合えば児童虐待の早期発、見や防止にもつながります。10月8日の報道によれば、全国の児童相談所が平成26年度に対応した児童虐待の件数(速報値)は前年度比20.5%増の8万8千931件で、過去最多を更新し、厚労省が調査を開始した平成2年度から24年連続で増加を続けており、初めて8万件を超えました。そして千葉県は前年よりも585件増え、5千959件で全国ワースト5位、子どもの人口1万人当たりでも全国ワースト5位です。
いま、千葉県のこどもは危機的状況におかれているといえるのではないでしょうか?
いじめや児童虐待を減らし、本来の日本人の素養を伸ばし、大きな資源を掘りおこして行かなければならないと思います。
平成二十七年十二月十三日 野田たけひこ