車イス使用者が円滑に移動できる環境をつくる

 車イス使用者と一般の自家用車で出かけた経験のある方はおわかりでしょうが、まず車イスからの車への乗降の際には、車イス使用者の体を支え、車の狭いドアに車イス使用者の体を車にぶつけないよう、細心の注意を払って乗降します。また折り畳み式の車イスは乗降の際には、広げた状態にしなければなりません。車イスはそれなりに幅がありますので、車イス使用者が車に乗降する際には、駐車場の車と車の間には、それなりのスペースが必要となります。そうでないと円滑に車に乗降できませんし、車イスで隣の車を傷つけてしまう危険性があります。もし車と車の間にじゅうぶんなスペースがない場合は、折り畳み式の車イスを車から離れた場所で広げ、そこまで車イス使用者の体を支えながら移動し乗降します。自分が誰かの負担になっていると感じるのは辛いものです。車イス使用者を介助している人、家族などはそうとは思わなくても、車イス使用者は自分が車に乗って出かけると迷惑をかけてしまうとの思いから、車でどこかに出かけるのを遠慮するようになります。車イス使用者にそんな悲しい思いをさせてはなりません。
超高齢化社会に突入しようとしているわが国の中でも、千葉県は全国で最も高齢化の速度が速い県のひとつでもあります。そして、どなたでも高齢になれば足腰が衰え、病気になったり、怪我をする確率も高くなります。誰もが車イスを日常的に使う生活になる可能性があります。車イスを日常的に使う生活になっても、「買い物、映画、観劇、旅行などに出かけられる。」「車イスを使う以前の生活をできるだけ取り戻す。」そのような環境整備をすることも、私の使命のひとつであると考えています。
 私は、施設の出入り口付近などに設置される車イスの乗降に必要な広さを備えた駐車場「障害者等用駐車場」が真に、その駐車場を必要としている人が使えるように、当該駐車場の利用証を発行する「障害者等用駐車場利用証制度」(パーキング・パーミット制度)を千葉県でも創設したいと考えています。また車イスに乗ったまま乗降できるタクシー、UD(ユニバーサルデザイン)タクシーが町中を多数走り、それを気軽に利用できるようにするため、一般タクシー事業者がUDタクシー車両を購入する際の費用の助成制度を千葉県に創設したいと考えています。そしてUDタクシー専用待機レーンも成田空港、県内主要駅、幕張メッセなどのイベント会場、ショッピングセンター、観光地などに多数設置したいと考えています。
 民進党議員は、国・県・市が一丸となって車イス使用者が安心して街に出て、活発に行動できる環境を整えてまいります。

平成29年1月22日    野田たけひこ