千葉県に甚大な被害をもたらした令和元年の房総半島台風等、一連の災害に対する記憶が生々しく残っています。また千葉県においては最大11mの津波、最大震度5強の揺れをもたらすといわれている南海トラフ地震について、今後20年以内に発生する確率を、これまでの「50%~60%」から「60%程度」に引き上げると、政府の地震調査委員会が先日発表したばかりです。
さて千葉県は、県政の主要分野にわたる県民の関心、要望、意向等を捉え、県政推進の基礎資料とするため、県民を対象に「県政に関する世論調査」を毎年実施しています。
公表されている最新の調査は令和3年度に実施されたもので、県民の県への要望として強い項目は、1位「災害から県民を守る」、2位「高齢者の福祉を充実する」3位「医療サービス体制を整備する」でした。そして、この順位は平成24年度調査から10年連続して変わっていません。
この「災害から県民を守る」ことについて、私はこれまで、県民のご要望にお応えすべく、
・救難活動を行うヘリコプターの道標(みちしるべ)となるヘリサイン整備に係る補助金の導入。
・遅れていた土砂災害警戒対策事業への予算増額と実施計画の前倒し。
・船橋市内を流れる海老川・飯山満川の水害を防ぐために危機管理型水位計・河川監視カメラの設置。
・船橋市の市街地の多くは海抜より低い「ゼロメートル地帯」であることから、千葉港海岸 直轄海岸保全施設整備事業の早期実施。
・船橋市と福祉タクシー事業者団体との高齢者や障がい者等の輸送に係る災害協定の締結等。
これらを県議会の様々な機会を通して提言し、それを実現してきました。
しかしながら、災害による直接的な被害ではなく、避難者が不便な避難所生活を余儀なくされた結果、健康被害等が生じ、死亡するという「災害関連死」をなくすために、また避難者の尊厳ある生活を確保するために、千葉県の避難所のあり方を変えていく「避難所※QOL向上事業」については、まだ道半ばです。
私は、家を失い、仕事を失い、これからの人生に不安を抱いている方々が、雨風をしのぐことだけではなく、安全に安心して避難生活を過ごし、これから先の未来に気持ちを前向きに持っていけるような、質の高い避難所を千葉県につくりたいと考えています。
※QOL=Quality of life(クオリティ オブ ライフ)は「生活の質」「生命の質」などと訳され、私たちが生きる上での満足度をあらわす指標のひとつ。