本年1月1日に発生した能登半島地震では、「能登半島の大動脈」とされる国道249号は少なくとも25カ所で土砂崩れや道路陥没などで寸断されて県内全体で通行止めとなった道路は最大41路線93カ所となり、発生から7日目になっても35路線83カ所が復旧されていない状況が続きました。 あれから半年が経過しようとしていますが、 5月31日時点で、土砂崩れや建物の倒壊が原因で作業員が立ち入れないなど復旧が難しい珠洲市や輪島市の一部地域では、今も水道を使えない世帯が少なくないそうです。
死者は災害関連死70人を含め300人となり、276人が犠牲となった2016年の熊本地震を上回りました。そして6月24日、2次災害のおそれがあるとして3月上旬から中断されていた行方不明者の捜索がおよそ4か月ぶりに再開されました。
さて、下図をご覧下さい。⓵は逆さまにした能登半島、⓶は房総半島です。何かお気づきになりませんか?非常に地形が酷似していることがわかります。半島特有の弱点として、中程には山があり、土砂崩れも起こりやすく、道の本数も限られている為、いざという時の脱出も救助においても困難を極めることになります。千葉県の人口は、石川県の約5.6倍です。防災対策を最強化し、決して「対岸の火事」にしてはなりません。
私は、本年2月定例県議会(予算委員会)において、南房総地域に孤立集落を発生させないために、道路網の整備はもちろんのこと、道路以外のアクセスとして、ヘリコプターやドローンの活用、船舶の活用等を取り上げ、ヘリポートやヘリサインの整備、港湾の整備の必要性を訴えました。
そして県は、能登半島地震の被害状況を踏まえ、半島という共通する地理的特性を有する千葉県の防災対策を強化するため、関係機関連絡会議を開催しました。その結果、「千葉県孤立集落対策緊急支援補助金」(2億5000万円)・・・自主避難所等の整備・コンテナハウス等の購入・ヘリポートやヘリサインの整備・備蓄品の整備・孤立集落対応マニュアルの整備・ドローン等の操作技能習得研修。
「緊急輸送道路における法面緊急点検事業」(5000万円)・・・緊急輸送道路法面90箇所。このように、6月補正予算の編成を行なうこととなりました。
今後30年以内に南海トラフ地震や首都直下地震などの巨大地震が起こる確率は70%と予想されており、被害規模は東日本大震災の10倍以上とも言われています。地震は避けられない自然災害です。いかに一人一人が備え、行動できるかが重要ですが、私はこれからも、県民の命と財産を守るため、積極的に防災対策について提言してまいります。