平成25年11月26日、「千葉県立袖ヶ浦福祉センター養育園」で職員が知的障害のある19歳の少年に暴行し、死に至らしめるという痛ましい事件がありました。その後の調べで、同施設の勤務中に5人の職員が、死亡した少年を含む施設の利用者10名に、日常的に暴行を働いていたことが分かりました。
先月の26日には、神奈川県相模原市の障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で、元職員が入所者を次々と切りつけ、19人の方が亡くなり、26人が負傷するという痛ましい事件がありました。犯人は警察の調べに対し「障害者なんていなくなればいい」という趣旨の供述をしました。
これらの事件の根底にあるものは、障害者に対する「差別」です。平成18年12月、障害者の差別禁止や障害者の尊厳と権利を保障することを義務づけた国際人権法に基づく「障害者の権利に関する条約」が国連総会本会議で採択され、わが国も翌年9月に同条約に署名し、その翌年から国内法の整備に着手、国会での審議、採択の後、平成25年6月に「障害者差別解消法」が制定されました。この法律の施行は今年の4月1日からです。またこの法律は国民の責務として、全ての国民が、障害を理由とする差別の解消の推進に寄与するよう努めることを定めるとともに、国及び地方公共団体の責務として、障害を理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を策定し、実施することを定めています。これによって障害者への差別がなくなるものではないでしょうが、一歩前進であると言えましょう。
昨年11月、茨城県教育総合会議の席上で、教育委員のひとりが「(妊娠)初期に、もっと(障害の有無が)わかるようにできないんでしょうか。4カ月以降になると堕ろせないですから」「(特別支援学級は)ものすごい人数の方が従事している。県としてもあれは大変な予算だろうと思った」「意識改革しないと。生まれてきてからでは本当に大変です」などと発言し、さらに橋本昌・茨城県知事までもが「産むかどうかを判断する機会を得られるのは悪いことではない」と擁護・同調するような発言をしました。私も千葉県の教育を司る文教常任委員会の委員の一人です。千葉県の教育界から、このような発言が出ないよう、また障害者への差別がなくなるよう尽力します。
SMAPが解散するそうで、とても残念ですね。それぞれがそれぞれの個性を認め合おうという内容の『世界にひとつだけの花』とってもいい歌ですよね。
平成28年8月28日 野田たけひこ