TKB48 ―災害関連死を防ぐ合言葉―

 国は4月、従来の避難所では新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐことができないとの認識により、全国の自治体に対し、避難所における感染症対策の徹底も求める通知を発出しました。この通知が、県作成の手引きへと繋がっていくのですが、千葉県でも災害時の避難所において、新型コロナウイルスが感染拡大しないようにと「災害時における避難所運営の手引き〜新型コロナウイルス感染症への対応編〜」を作成しました。
これを契機に、多くの自治体が避難所のあり方の見直しを進めています。東日本大震災での災害関連死は、「避難所などにおける生活の肉体・精神的疲労」が原因とされています。安全であるべき避難所が原因で亡くなることはあってはならないことです。
そして今、災害関連死を防ぐ合言葉『TKB48』が注目されています。Tはトイレ、Kはキッチン、Bはベッドで、それらを48時間以内に避難所に用意する。それを『TKB48』と言います。
 まずT(トイレ)について、欧米ではトイレ専用車輌、もしくは災害用の清潔に使えるトイレが、災害時には48時間以内に被災地に配備されます。日本でも太陽光で発電して排泄物を浄化する移動式トイレが開発されており、私はかねてより千葉県でもトイレ専用車輌、太陽光で発電して排泄物を浄化する移動式トイレを配備すべきと県議会で訴えており、私の公約のひとつでもあります。
 次にK(キッチン)について、日本栄養士会が食事の力で災害関連死を防ごうと災害支援チームを結成しています。このチームは糖尿病患者やアレルギーのある人、妊産婦たちの食事を支援しようと、コンロや電子レンジを積んだキッチンカーを導入しています。そして、このキッチンカーでは高齢者向けのおかゆ、乳児のミルク等、多種多様な人たちのための食事がつくれるそうです。乾パンやコンビニのおにぎり等の支援物資だけの食事にならないように、暖かく美味しい食事を提供することで少しでも被災者が安心できるようにしなければなりません。避難所で食事を温かく調理して提供するよう、キッチンコンテナ、キッチンカーを配備し、これを48時間以内に派遣する体制をつくることも、私の公約のひとつであり、これもかねてより県議会で訴えています。
最後にB(ベッド)について、雑魚寝ではなく、冷たさや振動が直に伝わらない簡易ベッドを用意することが必要です。感染症対策で県が作成した手引きで「市町村に段ボールベッドを「事前に準備しておく」こととしていますので、これについては以前より相当改善されました。
私は県が作成した手引きを、新型コロナウイルスの感染のおそれがある時だけのものとせず、災害関連死を防ぐために、千葉県の避難所の標準にしようと考えています。
さらに衛生上、食事と寝る場所は分ける「食寝分離」の必要性など避難所における今後の課題は山積です。これからも県民の命を守るため頑張ります。

令和2年6月28日       野田たけひこ