ペロブスカイト太陽電池について

 皆様には、船橋市長選や参院選において大変お世話になりましたこと、心より御礼申し上げます。これまで長らく休刊しておりました私の「県政改革」ですが、今週より皆様への配布を再開させて頂きます。長期間のお休みとなりましたこと、お詫び申し上げます。

 さて、「昔の夏はここまで暑くなかった」というお話を多くの方から伺います。実際にその通りで、気象庁のデータからも、気温の上昇は明らかに示されています。

 たとえば、最高気温が35度C以上となる「猛暑日」は、令和6年(2024年)の東京では20日間も記録されました。これに対し、ちょうど100年前の大正13年(1924年)には、猛暑日はわずか1日しかありませんでした。

 猛暑日の増加の原因に「気候変動」が大きく影響していることが挙げられますが、今や誰しもが、この気候変動の速度が想像以上に早まっているとお感じなのではないでしょうか。

 さらに、東京などの都市部では緑地の減少に加え、アスファルトやコンクリートが昼間の熱を蓄えることや、エアコンの排熱が重なることなどにより、夜間になっても気温が下がりにくいという、いわゆる「ヒートアイランド現象」も発生し、猛暑をさらに悪化させています。

 実際、昨年の夏は日本全体で「観測史上で最も暑い夏」となり、全国の猛暑日の地点数は1万箇所を超えました。福岡県太宰府市では、なんと40日連続で猛暑日を記録するなど、各地で過去最多記録を更新しました。

 ご承知の通り、我が国はパリ協定によって、2030年までに二酸化炭素などの温室効果ガスを2013年比で46%削減し、2050年までに「カーボンニュートラル(温室効果ガスの実質排出量ゼロ)を実現することを目指しています。

 このカーボンニュートラルを実現するための具体的な取り組みとして、再生可能エネルギーの導入促進などが挙げられますが、私はその中でもペロブスカイト太陽電池」に注目しています。

 このペロブスカイト太陽電池は、現在主流となっている屋根や屋上などに設置するパネル型の「シリコン系太陽電池」とは違い、小さな結晶の集合体が膜状に形成されているため、薄く軽量、柔軟性にも優れています。製造コストも低いとされ、将来的には一般家庭の窓ガラスに貼りつけることも可能だといわれている太陽電池です。非常に幅広い応用が期待されています。

 そして、このペロブスカイト太陽電池の主原料であるヨウ素は、世界の生産量の約3分の1を日本が占めておりさらにそのうち約80%が千葉県で生産されています。

 このようなことから、私は6月定例県議会で県に対し「ペロブスカイト太陽電池の研究・開発拠点を積極的に整備し、また、この技術に係る関連産業を誘致するなどにより、県経済が大いに発展することを期待している」旨の要望を行いました。

 私はこれからも、千葉から未来のエネルギー産業を育て、地域経済の活性化と県民の豊かな暮らしにつなげられるよう提言していく所存です。