20年ぶりの大きな一歩

 平成11(1999)年に、男女が互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現を目指すことを主旨とする「男女共同参画社会基本法」が国において成立しました。この法の成立を受け、全国の都道府県でも「男女共同参画条例」が制定されました。

 千葉県でも平成14(2002)年の9月定例県議会で「千葉県男女共同参画の促進に関する条例案」が県執行部の提案を受け、審議されましたが、自民党の反対により、否決・廃案となっています。今もって、47都道府県の中で、男女共同参画条例がないのは千葉県だけです。

 世の中の移り変わりが激しく、十年も経つと昔のことになってしまうのを「十年一昔」といいますが、「千葉県男女共同参画の促進に関する条例案」が否決されてから、今年で、ちょうど20年という年月が流れました。今は男女共同参画や男女平等のみならず、※1ジェンダー平等や多様性尊重の時代となりました。

 そのようなことから、私は県議会の代表質問や一般質問、委員会における質疑等、折に触れ、男女共同参画に係る理念を条例化すべきこと、※2ダイバーシティを推進すべきことを訴えてきました。

 現在、開会中の12月定例県議会でも、私は所属会派の代表質問の質問項目に「ダイバーシティ推進について」を加えた原稿を執筆し、知事からは次のような回答を得ました。

質疑・答弁要約

   問 「多くの県民が、オリンピック・パラリンピックが本県でも開催されたことにより、多様性の価値や、挑戦することの素晴らし
      さを体感しました。これらのことを踏まえ、男女共同参画を包含したジェンダー平等や多様性尊重、すなわちダイバーシティ
      を推進する条例を制定すべきではないでしょうか。知事のご見解を伺います」

熊谷知事 「今後、男女共同参画にとどまらず、障がい者、性的嗜好・性自認、国籍などを包含した多様性の尊重を推進していくため、
      条例の制定も含め、本件に相応しい方策のあり方について検討を進めていきたい」

 男女共同参画に係る理念の条例化とダイバーシティの推進は、私の公約の一つでもあります。今回の質疑は、公約実現への一歩20年ぶりの大きな一歩となりました。

 ※1 ジェンダー平等・・・ひとりひとりの人間が、性別にかかわらず、平等に責任や権利や 機会を分かち合い、あらゆる物事を
              一緒に決めること
 ※2 ダイバーシティ・・・人がそれぞれに持つ人種、国籍、宗教、年齢、性別、障がい、性的嗜好、学歴、価値観等の様々な違いを
              互いに尊重し合うこと