全国で毎年約2,500人の子どもが小児がんを発症し、現在約16,000人の子どもが小児がんと闘っています。そして、その子たちの多くも抗がん剤の影響により髪が抜け落ちています。小児がんに限らず、無毛症や先天性の脱毛症、不慮の事故などで髪を失った子どももたくさんいます。その子たちは、病や事故、入院や治療過程での痛みや苦しみと戦い、病室の孤独にも耐え、また髪が抜け落ちる過程での精神的ショックを乗り越えるという辛い経験をしてきました。そして、髪がないことで、周囲の配慮を欠いた視線も意識してきました。
そのような子どもたちが笑顔を取り戻せるようにと、医療用フルオーダーウィッグを無償提供しているNPOが全国にいくつかあります。そのウィッグは一般の方々から、髪の寄付を受けて作成されますが、この髪の寄付のことを『ヘアドネーション』といい、県内にもヘアドネーションを受け付けている理美容院が多数あります。
1人の子どもにウィッグを贈るのには、20人から30人分の、31センチ以上の髪が必要となりますが、ヘアドネーションによる髪がなかなか集まらないため、ウィッグを待ち望んでいる子どもたちが大勢いるにもかかわらず、希望に応えられないという現状があります。ウィッグを待ち望んでいる子どもの中には、2年以上も待っている子もいます。
本来ならば、いろいろな髪型が個性として認められ、髪がないことも1つの個性として受け入れられる、そのような成熟した社会が望ましいのですが、残念ながら髪がないことは、からかいや、いじめの対象となりがちです。
子どもたちが、人目を気にせず子どもらしく、元気に公園を走り回れるようにするために、ヘアドネーションの善意の輪を広げていく必要があります。少女の写真をご覧下さい。このような少女のささやかな夢に応えようではありませんか。
2月26日に県議会・本会議に登壇し、理美容院の業務を所管している県に、ヘアドネーションの普及啓発への協力を要請しました。
平成30年3月2日 野田たけひこ