先週お配りしました「県政報告 防災の日」(7月12日発行)は、兄の『かわら版1000号 即動と完遂』とほぼ同じ内容となってしまいました。うかつにも兄の配布物を読んでいませんでした。兄弟ですので、読んでいる本や考えることが時々同じになってしまいますこと、お許し下さい。
先週号では、自衛隊は阪神・淡路大震災において、生存者の救出は165人にとどまったのに対し、東日本大震災においては全救出者の約7割、19,286人を救出したことを書かせて頂きました。また阪神・淡路大震災で自衛隊が道路の寸断や交通渋滞に巻き込まれ被災地入りが遅れたことも書かせて頂きました。
災害が発生した時に、直ちに対応できる組織に望まれるものは「自己完結組織」(組織自らが食料、燃料、医薬品、交通手段等を調達し、長期に現地滞在し、行動できる能力を持つ組織)であることです。その観点からも、災害時に自衛隊がいかに能力を発揮するかが、極めて重要なこととなってきます。
特に、私が着目しているは災害時に自衛隊のヘリコプターを、いかに有効活用するかです。生存者の救出に関しては、御巣鷹山の日航機墜落事故でも、ご記憶のことでしょうが、食糧、医薬品等の物資や傷病者の搬送、人員の派遣等でも東日本大震災においての自衛隊、あるいは米軍の「トモダチ作戦」でもヘリコプターは活躍しました。
しかし災害時には津波や火災等により地形が変わり、空から目標物をとらえることができず、ヘリコプターが目標地点に到着するのに苦労することがあります。その苦労を避けるために、建物の屋上に建物の名前を書く「ヘリサイン」(家の表札、道しるべ的なもの)が必要になります。「千葉県地域防災計画」によれば、ヘリコプター臨時離発着適地として県内413か所が指定され(船橋市は行田公園等10か所が、その指定を受けています)、また千葉県が所有する施設でヘリサインが設置されているのは、わずか26か所(船橋市では県立船橋高校1か所のみ)です。空から見える表札、道しるべが数多くあった方が、災害時の活動が円滑に進むことは自明の理です。そして多くの自治体がヘリサインを増やそうとしています。
私は県としては県立高校等、船橋市には市立の小・中学校等の屋上にヘリサインを書くことを県・市それぞれの行政に求めていきます。被災時、ヘリコプターの到着は一刻を争います。