情緒障害児の問題

7月6日に北海道の伊達市というところにある「バウム・ハウス」という情緒障害児短期医療施設に行ってきました。情緒障害とは自分の感情をコントロールできず、怒りの感情になった時などは物を壊す、暴力をふるうなどの問題行動を起こし、学校や社会に適用できない障害のことです。この「バウム・ハウス」には、上は高校生、下は小学校低学年の男女数十人が、施設の職員と寝起きを共にし、情緒障害の治療にあたっています。施設の職員に伺ったところ、施設のガラス、イス、机、テレビなどが壊されるというのは日常茶飯事で、一日の仕事を終え家に帰っても、施設で問題が起こり、呼び出されるというのもしょっちゅうだそうで、頭が下がるほどの苦労をなさっています。

 なぜ子どもたちは情緒障害になってしまったのでしょうか。この施設にいる子どもたちの多くは、親から日常的に人間としての存在を否定されるような罵声を浴び、しつけとは関係ない理不尽なことで暴力を振るわれたという経験を持ち、精神が健全に育つことができなかった子どもたちです。また不幸なことに、その子どもたちの親たちもまた親から日常的に虐待されて育った経験があるとのことで、つまり児童虐待は子どもから子どもへと引き継がれるという、負の連鎖があるということです。

 千葉県にも児童虐待も情緒障害児もいます。私は平成15年に児童福祉法の一部が改正され、中核市でも独自に児童相談所を管理・運営できるとされたことから、船橋市議会において市独自に児童相談所を持ち、児童虐待を少なくしようと訴え、平成19年に実施された船橋市議会議員選挙においては、市独自の児童相談所を設置することを選挙公約のひとつにしました。児童相談所の件はその後、船橋市長選で現市長との政策協定での約束となり、市長の選挙公約となり、ようやく本年度、一部予算化となりました。

 情緒障害児の問題については、情緒障害児短期医療施設が同じ関東の東京都、茨城県、群馬県、栃木県、埼玉県、神奈川県にはあるものの、残念ながら千葉県にはありません。私は情緒障害児の問題についても果敢に取り組む所存です。

日本国憲法 第十三条
  すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
教育基本法 第四条の二 
国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。