続・児童相談所について

11月12日の時事通信によれば『厚生労働省は12日、児童虐待の防止策強化に向けて有識者検討委員会がまとめた論点案を発表した。児童相談所(児相)の役割を緊急度の高い虐待家庭への調査・介入に絞り、軽度な事案は市町村の担当とする方向。年内に結論を出し、来年の通常国会に児童福祉法と児童虐待防止法の各改正案を提出する。児童虐待件数は2014年度対応分で8万8931件。前年度に比べ20.5%増えている。論点案では、虐待通告を一元的に受けて緊急度を判断し、児相や市町村に振り分ける機関を新設。児相は緊急度の高い事案を担当して子どもの保護や調査・介入に専念する一方、軽度な事案は市町村が受けて子どもらへのケアを担うのが望ましいとした』とのことです。この記事からも厚労省が児童虐待の問題をいかに深刻に受け止めているかがわかります。

 児童相談所は、保護者による児童の虐待などがあり、児童が危険であると判断されるような緊急の場合に、児童(子ども)を一時保護します。一時といっても保護者からの虐待が改善されない、あるいは保護者から切り離し、児童養護施設などに預ける必要があるとされた場合でも、児童養護施設の定員の問題などから1年以上など、長期になることもあります。子ども達が一時保護され一定期間、児童相談所で過ごすことになりますから、児童相談所にはしかるべき住環境というものが備わっていなければなりません。

 しかし、先日私が視察に行った県の児童相談所は、築40年以上で、すきま風を防ぐためダンボールで窓の隙間をふさいであったり、トイレの数が足りないため児童が便秘ぎみである、あるいは性的虐待を受けた児童へ配慮から男女別とされるべきところが一緒であったり、勉強したり遊んだりするスペースがないなど極めて劣悪な環境のところがあります。児童相談所で保護される児童(子ども)は傷ついた被害者です。ホテル並みとはいかないまでも、子ども達のために快適な住環境を確保するべきです。そして私は県の老朽化、狭隘化した児童相談所を子どもの視点に立って、改善すべく努力致します。