自転車は通勤、通学、買い物などの生活の足として気軽に、そして快適に使え、また体力向上にも役立ち、もちろん排気ガスも出ませんので環境にも優しい乗り物です。休日などには、ピチッとしたウェアに身を固め、専用のヘルメットをかぶり、本格的なスポーツバイクに颯爽と乗っている方々を多く目にするようにもなりました。また自転車ブームの一助となったといわれている、自転車競技を題材にした本格的なスポーツ漫画「弱虫ペダル」の累計発行部数も1,700万部を超えているそうです。自転車の愛好者、利用者が増えることはとてもよいことです。
しかし自転車の利用者が増えれば、おのずと自転車事故の数も増えます。これまでは、いかに交通ルールを無視した自転車の危険な走行であっても、警察官に注意される程度で済んでいましたが、自転車ブームと相まって自転車事故が多発している状況を鑑み、3年前の平成27年に道路交通法が改正され、自転車の交通違反が厳罰化されました。
ちなみに一昨年の平成28年度、千葉県内の交通事故のうち自転車事故は4,139件(全事故比23%)で、前年比5件の増。そして県内では船橋市での発生が最多で495件、松戸市、柏市がともに371件、市川市が292件と続いています。また前年に比べて増加件数が多かったのも、船橋市55件、浦安市42件、千葉市中央区31件でした。
また自転車は道路交通法上「軽車両」と位置づけられていることもあり、事故を起こした際に多額の損害賠償を請求されることもあります。高額賠償の一例ですが、「小学生が、夜間、自転車で坂道を時速20~30㎞で下っていたところ、歩行中の女性に正面衝突。女性は頭の骨を折り、意識が戻らない状態となった」(賠償額9,521万円)。未成年者が起こした事故では、本人に責任能力があれば未成年者自身が賠償義務を負いますが、責任能力がなければ親権者がその責任を負うことになります。
千葉県でも昨年4月に「千葉県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」を施行し、その中で「自転車利用者は自転車事故の賠償に備えた保険の加入に努めること」としています。
2月15日から県議会が始まりますが、私は自転車事故を減らすための環境整備、賠償保険加入促進のための啓発などについて、本会議の一般質問で取り上げます。
平成30年1月28日 野田たけひこ